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2007年4月27日掲載
山陰沖のホタルイカ
 
 いよいよ春本番となりホタルイカ漁が最盛期を迎えています。但馬で初めてホタルイカが水揚げされたのは昭和59年、場所は豊岡市津居山でした。底びき漁業者は以前から春に現れるこの小さなイカを知っていましたが、それがホタルイカと認識されたのはまだ20数年前のこと。その後漁具の改良も進み、今では水揚金額でズワイガニに次ぐ、但馬の底びき網の主力魚種となり、兵庫県の漁獲量が全国一となる年も珍しくなくなりました。

 ホタルイカといえば富山湾が有名ですが、日本海以外に土佐湾以北の太平洋、オホーツク海にも分布します。日本海の主漁場は富山湾、但馬〜若狭沖、浜田沖など、大きく見ると海底地形が湾状になっている海域です。漁獲対象は産卵群なので、主漁場は主産卵場でもあります。各産卵場で生まれた卵・稚仔は沖合で混ざり合い、日本海全体で1つの大きな群を形成していると考えられています。

 山陰沖では、日中水深200m付近の海底直上に集群するホタルイカを、底びき網で漁獲します。夜間は餌のプランクトンの浮上や産卵のため中層に浮上するので、底びき網には入網しなくなります。一方、急峻な海底地形の富山湾では、夜間に浮上、接岸したホタルイカを沿岸の定置網で漁獲しています。

 漁期当初の底びき漁獲物では雌雄の比率が半々ですが、2月以降、雄は精子の入ったカプセル(精莢:せいきょう)を雌に渡すと役目を終えます。(渡された精莢は雌の頸部に交接痕として見られます。)ホタルイカが3月以降急成長して見えるのは、個体の成長もさることながら小型で細身の雄が姿を消し、より大型で卵を持った雌ばかりになるためでもあります。

 春の底魚生態系に大きな地位を占め、産卵後のアカガレイなどの餌としても重要なホタルイカですが、近年、漁場形成がやや不安定になっている印象を受けます。今後は安定生産に繋がる情報提供が可能となるよう、漁場への来遊機構、漁場環境、産卵生態等について知見を増やしていきたいと思っています。

(但馬水産技術センター主任研究員   大谷徹也)

【写真】ホタルイカの雌(♀)と雄(♂)、枠内は雌に見られる交接痕

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