日本海中西部ヒラメ広域連携調査

背景・目的

 兵庫県では平成6年からヒラメの種苗放流事業を実施してきました。しかし、ここ数年の漁獲量は少し伸び悩んでいます。
 これまで、当センターが実施した調査から、放流したヒラメ種苗の一部は県境を越えて広く移動していることが分かってきました。このため、ヒラメ放流の効果を把握することは、兵庫県だけの調査ではことは難しくなっています。
 そこで、(独)水産研究総合センター、(社)全国豊かな海づくり推進協会および日本海中西部の石川県~山口県の6府県と共同して調査することになりました。各府県の調査結果をあわせて、ヒラメの種苗放流に関して効果的な放流場所、サイズや回遊範囲などを明らかにし、放流効果の評価を実施することで、ヒラメ資源の増大・安定を目指します。

課題実施期間

 平成17~21年度

これまでの成果概要

  • 市場に水揚げされるヒラメの全長を計測し、漁獲統計資料(漁獲重量)などをあわせて検討することにより、本県但馬海域に水揚げされたヒラメの年齢別漁獲尾数を推定しました。同時に、無眼側の色素異常個体を調査し、同様に年齢別の放流魚の再捕尾数を推定しました。
  • 水揚げされたヒラメの無眼側の色素異常個体から鱗を採集し、DNA分析を行います。水揚げされたヒラメのDNAと放流した時の種苗のDNAを比較することにより、放流した機関(府県や場所)を推定しています。DNAの分析は(独)水産研究総合センター・日本海区水産研究所の協力を得て実施しています。
  • 調査結果の詳細は、日本海中西部ヒラメ広域連携調査事業報告書(平成17年度、平成18年度)、石川県 他(2006、2007)に記載しています。

今後の計画・成果の見込み

  • 平成21年度まで、同内容の調査を継続する予定です。

市場で発見された色素異常のヒラメ
胸鰭から尾鰭にかけて、黒化した部位が点在しています。このヒラメの出身地は?