漁業調査船「たじま」業務日記

第1種中間検査(平成19年11月8-28日)

実施目的:船舶安全法により義務付けされているもので、船舶の構造・設備に関する技術基準を定め一定期間ごとに、この基準への適合性を確認するために受検する。また、長期間船体を水から出して行うので、それに伴い、「通常行いにくい整備」などの重整備も行う。
実施内容:船体外観検査や主機関・発電機関・諸補機関の開放検査、効力検査(物を実際に動かして、有効に働くかの検査)等

まずは、船を船台に据えるため、岸壁を内陸側へ切り開いた凹地に船を入れ込みます。船が入ったら海側に仕切り板を差し込みます。その後、仕切られた船体側の海水をポンプで抜き出します。これで船は海水から出る事ができます。
左手に写っているのが、差し込む仕切り板です。この板の内側と外側に水位の差ができると圧力差が生じて、水位の高い方から押付ける形となります。操舵室の上に見える人影が「ドックマスター」と呼ばれる人で、この人の正確な指示により船を所定の位置へ収めます。

船体側の海水を抜き出しているところです。船首写真の手前に写っている物はドライドックのセンターラインと船体中心軸との同期を確認する器具です。各写真の船体より下に写っているのが、船台と呼ばれるもので、これを各船ごとの形状に合わせ組替えて使用します。

塗装工事後です。綺麗になりました! 船体没水部・プロペラ(スクリュー)・舵等が汚れていると水中での抵抗が大きくなって、効率が悪くなりますから大事な作業ですね。
それと…「水の中に浸かっている金属は早く劣化しないの?」なんて思いませんか? その事を防ぐのに船体には船体金属より早く劣化する金属を取付けて、船体より先に腐食させることにより船体金属の劣化速度を遅くさせています。この金属も定期的に取替えます。

検査を受けるため、バラバラに分解されて工場に上がっている主機関と発電機関の部品です。中央より少し奥にある黒色の筒状のものが主機関のピストンです。

上の写真の部品が取外された状態の機関室内です。右が主機関で左が2号発電機関です。写真が下手でわからないのですが、部品を陸揚げした機関室はやはりガランとした感じですね。