試験研究課題

令和5年度 主な試験研究課題

瀬戸内海生産構造解明調査事業

瀬戸内海東部の広範な海域において、動物プランクトンを含む低次生物生産を把握するためのモニタリングを実施し、漁獲が低迷する主要な漁獲対象種の減少要因や適正な栄養塩環境を検証するために必要なデータを得る。

(担当:水産環境部)

漁業調査事業

最新の漁獲量及び水質環境情報を用いて、兵庫県海域を含むより広域の栄養塩類環境と漁業生産の関係を分析する。兵庫県海域で行われた漁場底質調査データを整理するとともに、聞き取り情報などから必要と判断された海域の現地調査を進め、底質環境を評価する。調査結果を活用し、豊かな海に関する情報を発信する。漁業者が主体となって実施する豊かな海の活動において、科学的視点からの支援が必要と判断された場合に調査を進める。

(担当:水産環境部)

漁場環境保全対策調査研究

本県瀬戸内海側の各漁場における環境を調査し、水質等の状況を定期的かつ継続的に把握することによって、漁場環境の保全及び海洋生物生産の変動要因の解明等に役立てる。

(担当:水産環境部)

重要赤潮被害防止対策事業(瀬戸内海)

瀬戸内海東部海域において、赤潮多発期の夏季およびノリ養殖期の冬季に関係機関で連携のとれた広域共同調査を実施し、栄養塩濃度、有害赤潮種の動態等を広域かつ経時的に把握し、瀬戸内海東部海域における有害赤潮種の出現特性等を明らかにする。また、得られた情報を迅速に漁業者等へ提供するとともに、既存データも含めたデータ解析によって赤潮発生シナリオを構築し、赤潮発生予察や漁業被害軽減に資する。

(担当:水産環境部)

貝毒安全対策強化事業

毒量のばらつき、変動範囲、変動傾向等を把握し、統計学的な手法による判断(ばらつきの区間推定や減毒の傾向推定)等をふまえ、貝毒モニタリングによる毒量の検査結果をもとに食品としての安全性が担保できる範囲(期間や海域)を明らかにする。国が定める原則よりも厳密に(正確に)食品としての安全性を担保できる可能性がある場合には、出荷の自主規制期間の短縮を提案する。

(担当:水産環境部)

瀬戸内海重要水族環境調査

本県瀬戸内海域における重要水族の資源生態と漁場環境を明らかにすることにより、漁業資源の効率的利用や沿岸漁業経営の安定化に資する。

(担当:水産環境部)

漁海況情報収集事業(瀬戸内海)

漁場環境調査や市場調査等により、漁場環境の現状や漁獲対象種の資源動向等を定期的に把握することで、漁業者をはじめとする県民への海況情報の提供や水産資源管理のために必要なデータを収集する。

(担当:水産環境部)

資源評価調査(瀬戸内海)

排他的経済水域内の漁獲許容量を把握し、我が国周辺漁業資源の適切な保存と合理的・持続的な利用を図るため、水産庁からの委託により、資源評価・動向予測・最適管理手法の検討に必要な基礎資料を整備する。

(担当:水産増殖部)

増養殖推進対策調査研究

(1) 魚病対策試験調査

魚病に関する調査、技術指導を行うことでデータを集積する。

(担当:水産増殖部、内水面漁業センター)

(2) 野外試験による養殖ノリ高水温耐性株の特性把握

イオンビーム照射による突然変異育種で得られた高水温耐性株について野外試験や室内培養を通じて生長特性を明らかにし、新品種としての実用性を検証する。

(担当:水産増殖部、水産環境部)

(3) 簡易的ナマコ養殖技術開発試験

本県の西播磨海域では二枚貝類の垂下養殖が盛んであり、その施設において二枚貝排泄物等を餌料としたナマコの粗放的な養殖が可能になれば、新たな養殖対象種として導入が期待できる。本研究では、幼ナマコをアサリ養殖で用いられているコンテナに収容し、中間育成する方法により、成長等のデータを収集して、ナマコの粗放的養殖の可能性を探る。

(担当:水産増殖部)

(4) 放流ガザミの生残率向上技術開発研究

付着生活期に適した付着基盤を検討し、基盤に適した密度、付着日数、他の生物(餌生物や食害生物)の付着状況を調べることで、ガザミの放流後、C1 から C4 までの付着生活期における生残率を向上させる。

(担当:水産増殖部)

(5) 養殖ワカメの食害実態の把握と対策技術の開発

養殖ワカメの食害実態把握と原因種を特定する。また、原因種の生態に応じた食害軽減技術を開発・実装する。

(担当:水産増殖部)

閉鎖循環飼育設備を用いたローカルサーモン養殖の効率化に関する研究

高水温に弱いニジマスを、閉鎖循環飼育により安定的かつ低コストで、海中養殖種苗として生産する技術を開発する。

(担当:水産増殖部)

クロダイによるノリの食害軽減技術開発

効果的なノリの食害軽減技術(忌避、漁獲等)を開発するために、食害の実態把握及び、ノリ養殖漁場周辺における食害原因種(クロダイ)の行動生態を解明し、生態学的知見を得る。また、食害軽減技術を開発・実装し、現場への技術導入を行う。

(担当:水産増殖部)

アユ資源維持増強対策調査研究

(1)アユ冷水病の保菌検査を実施することによって冷水病菌の河川への拡散を防止するとともに、新たな感染症の保菌検査も実施する。
(2)遺伝子解析結果により、アユ資源増殖手法を明らかにし、付加価値向上についても検討する。

(担当:内水面漁業センター)